こんにちは。kamaxです。
先日、得意先の大手私鉄バス会社
よりご依頼がありました。
「海外の路線バスを買ったのだが、
ドア付近のスロープを無くして欲しい」
という改造の依頼です。
なんと、メルセデス・ベンツの連接バス、
「シターロ」という特殊なバスです。
(上記の写真を参照)
いつも通りの作業かな?
と思い、気軽に受けた仕事でした。
いざ、当日作業に取り掛かると、
幻滅しました。
まずは「車椅子用のスロープの取り外し」
ですが、
全て硬いステンレスのリベットで
止まっていました。
バスは、本場ドイツのベンツ製品。
日本にあるステンレスのリベットの
何倍も丈夫。
ドリルの刃を何本も折って、
ようやく取り外し。
次に見えたのは、ステンレスの
受けのトレー。
薄い物で、コーキングで
床の骨と固定してあります。
コーキングなら、すぐに
切り込みを入れて、外れるかな?
そう思って取り掛かりましたが、
またも幻滅です。
このコーキングが、日本製と違って、
ゴムのように硬い。
しかも、地面からジャッキで
押し上げながら切り込みを入れても、
まぁ、外れない。進まない。
どんなコーキングを使っているの?
バスの車高が上がる程ジャッキで
下から押し上げているのに、
なかなか外れない。
結局、このトレーを外すだけで
7時間かかりました…。
さらに最悪なのは、床下の
アンダーコートが、グリスのように、
手に付くのです。
国産のバスであれば、アンダーコートは
カリカリに乾いているので、
触っても付きません。
ベンツ製品は違いますね。
この方が下回りの錆びには強いそうです。
ただ、お陰で手と作業着は黒くドロドロ。
また次の日も災難。床骨がV字形状。
床板との隙間はどう埋めよう!?
苦肉の策で、帯状のコンパネを間に貼って、
隙間を埋めました。その上に、
通常の床板を貼りました。
その後、今回特別作製の運賃箱の台と
合わせて、仮組しました。
ここまでくれば安心。いつも通りの床材の貼り付けです。
何とかここまで完成して、
本当に良かった…。
外した以上、もう後戻り出来ません。
どうにか床を作らなくては…。
やはり海外製品は、考え方も素材も違いますね。
特にドイツ製品は日本の常識は通用しません。
二度と外れないように拘って作っています。
「今までの経験や常識で軽々しく仕事に望むな」
そう言われている様な気がしました、、。
今回は想定外のことも多く、
本当に苦労しましたが、
良い勉強になりました。