やはり経験には勝てません。意外な原因に気付いた、ベテラン工場長のひらめきとは!?

こんにちは。kamaxです。
数年前の話し。お隣の県の
大手私鉄バス会社に、
「LED方向幕の取り付け 」
を全車行っていた頃の
出来事です。
(前、横、後ろ、行先を
電光表示で出す機械を
LED方向幕と言います)
約1か月前後で、各営業所の
路線バスの方向幕を、
「LED 方向幕」に交換
 していきます。
得意先の工場長と、私の
二人で、、。
(全営業所で、なんと400台
近くあります)
なかなか大層な工事で、
1日1台しか出来ません。
1つの営業所で全車の工事が
終わるまで、
次の営業所には移れませんから、
トータルで1年半かかりました。
その中で、一番山奥の、遠い営業所
で作業していた時期でした。
毎朝ここに到着するまで1時間半
かかりますが、毎日通いましたよ。
ある日に、今日の割り当ての
バスがピットに入っていました。
「日野 レインボー」です。
レインボー.jpg
もうあまり都心部では
見かけない車種です。
ただ、この営業所では
まだ大活躍です。
小型で、車高が高く
機動性が高い。
真冬には雪の日もあるので、
雪にも強いこの「レインボー」
は手放せないのだ、と。
午前中より、早速LED方向幕
の取り付けを始めました。
まず後ろ幕の配線工事、
本体の取り替え。続いて横幕。
これはガラス窓の、窓枠の上側
と縦柱に金具を固定し、
本体を取り付けする。
もちろん、配線工事の後です。
ガラスに対しては宙吊り
になるので、
両面スポンジを重ねて、
なるべく窓に密着させる。
金具の取り付け具合によっては、
「ベリッ」と最後に外れるので、
兼ね合いを調整しながらです。
最後に前幕の交換です。
配線処理は他の幕より簡単ですが、
本体が巨大なので、
二人がかりで交換します。
たまに、本体を取り付ける
元の鉄骨が、
“L字”でじゃまする
場合があります。
骨を削らないと
本体が入りません。
ご存知でしょうか?
ここで、「ニブラ」を使います。
ニブラ.jpg
場所的にも、グラインダーを
使うのは危険です。
ジグソーも歯が立ちません。
鉄板が3~4mmもあるのを、
爪で挟んでかじる様に
鋼板を切断していきます。
大変面白い機械ですよ。
後は、前幕、後ろ幕、横幕の
全ての配線を、
音声合成や系統設定器など
の通信ラインと結合して、
完成です。
夕方4時を過ぎました。
最終チェックです。
全てのLED幕が系統通り
に表示するか、
音声と合っているか、
緊急時の表示はするのか。
すると、このバスは、
前幕は正常でしたが、
横幕はワンテンポ遅れる、
後ろ幕に至っては「回送」
より動かない。おかしいです
「あれ、通信異常やな~!?
なんでバラバラなんやろ?」
それから、各幕を外して、
配線を確認しました。
配線の集約部分も
ばらして確認しました。
ビニールテープでぐるぐる
巻きにしたのに…。
配線は間違っていません。
何度も確認しました。
それでも症状は改善されません。
「何が原因やろか?
 分かりませんわ…」
「あっ、もしかしたら
 これちゃうかな!?」
一緒に作業している、
得意先の工場長が言いました。
すると、手に持っていたのは、
運転席横に置いてあった木材です。
何か機械が3つ
取り付けてありました。
「これこれ、コンバーターや。
妨害電波出してるんちゃうかな!?」
試しにそれを外して、
もう一度チェックしました。
最初はちょっとズレましたが、
表示が合ってきました。
全く動かなかった後ろ幕もです。
「OK、OKですよ!
 表示が揃いました!」
さすが、工場長。この道40年の
ベテランです。
私はそれが妨害電波を
出しているとは、
想像もつきません。
この汚れた木材に、
筆箱ほどの機械を
3つ並べて取り付け、
運転席の右側に置いてあった
物体が通信異常の原因でした。
これは、「コンバーター」と言って、
蛍光灯の照射を制御する機械です。
方向幕はLEDになったので
要らないのですが、
扉の上の社外灯にも
関係しています。
外せないのです。
運転席の反対側に、
適度な布をかけて
固定しました。
意外な見た目に、
営業所の整備士さんも
喜んでくれました。
時刻はもう晩の9時を
回っていました。
工場長の気付きがなければ、
作業が終わりませんでした。
やはり、経験には勝てませんね。
私ももっと精進しようと、
帰りの車の中で思いました。
「大手路線バス、観光バスの作業従事者ですが、
こんな修理が出て困っています」とか、
「路線バス、観光バスにこんな機器をつけたい
のだが、どうつけるか分からない」など、
特にバスの内装作業に私は詳しいので、
こちら からお気軽にご相談下さい。
御社のお仕事の手助けになれば幸いです。

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