こんにちは。kamaxです。
今回は、新車の三菱ふそうローザが入庫してきました。
お客様のバス会社のご依頼は、
「非常開放スイッチ」を作成して取り付けして欲しい、とのことです。
最新型の三菱ふそうローザの顔はこれですよね?
こちらのバスの左扉は、折り戸の「自動ドア」タイプです。
よくあるローザの左扉です…。
現在、この様な自動ドアのマイクロバスは、「車外から扉を開ける装置が必要」
なんです…!これが無いと車検も通りません。
このバスはまだ新規登録もしていない、本当の新車、。
お客様のご依頼を受けて、加工していきます。
まずは左扉の下に潜り込みます。
実はこの写真は反対になっているのですが、分かりやすいのでこうしました。
三菱ふそうローザの左扉の下はこうなっています。
ちょうど一段目の乗降口の裏からの画像です。
巻き込み防止のバーがあって、その前にパネルの合わせ目がちょっとした
「耳」になっています。ここに取り付ける設計なんです。
これが今回私が作成した、「非常開放スイッチ」を取り付けるためのブラケットです!
先程の耳に対して、ビス3本で固定するようになっています。
スイッチを仮合わせしてみました。乗降口の方向に向けてスイッチを取り付けます。
もう一度スイッチを外して、ビスの上からコーキング材を塗布します。
今後ビスが錆びて、スイッチがブラケットごと地面に“プランプラン”したら
大変ですからね。
ここは「ステンレス」のビスを使う業者さんもいるでしょう。
私はそれでも、常時水のかかる下廻りですし、「防水」の意味でもビスの上から
コーキング材を盛りますね。
スイッチはよくある「トグルスイッチ」を使用します。
こちらも防水のため後ろ側の端子をビニールテープでぐるぐる巻にします。
さぁ、車体の中から出してきた配線とこのスイッチの配線をまとめます。
元々乗降口の裏側に配線がありましたので、それと共にまとめました。
何か追加で工事をする場合は、こうして既存の配線と同じルートで這わす、
まとめるといった事がセオリーですね!
ついに完成しました!
左扉の下を覗くと、黒いブラケットがあって、ゴムキャップの被ったスイッチがある、
という状況です。
実際に車検に行く際は、このスイッチの上辺りに「非常開放」と書いてあるステッカーを
貼らないといけません!
実は、最近の三菱ふそうローザには、室内のドアエンジンの箱の横に「自動⇌手動」
となっているスイッチがすでに存在します。
簡単に言うと、このスイッチを車体の下に増設する、という事なんです…。
中からは自動、手動の切り替えが出来て、例えば有事の際に脱出出来ても
ダメだという事なのです。
確かに車両火災の際などは、とにかく車外からドアを開放し、
乗客を速やかに外に避難させる必要がありますからね。
この車検制度の基準は、非常によく理解が出来ます。
自動ドアのバスであれば、スイッチ1つでドアを開放して、
乗客を避難させる事が出来るのです。
以前のトヨタのコースターなんかは、ドアの下に「エアコック」が付いていて、
いざという時にそのバルブを引いてドアを開放する装置が付いていました…。
でも、非常時以外は触らない装置です。いざそれを引いて、コックが取れた、
ワイヤーが引きちぎれた、という話しをお客様から聞きました、、。
それでは、非常時の装置としては失格ですね。
以前に、幼稚園バスの送迎中に運転手が意識を失い、園児が乗ったまま坂道に突入し、
その先には踏切があった、、そんな状況の危機がありました…!
その時には、周囲にいた数人の大人がバスを左右から押して、何とか道路の外壁に
衝突させ、バスの暴走を食い止めた、、という事で事無きを得たのですが、
もしバスを押していた大人が外壁とバスの間に挟まれて死傷していたら、
そう思うとたまたまうまくいっただけなのかも知れません、、。
今回の様な装置があることを知っていて、車外から安全に扉を解除して車内に入り、
運転操作によって暴走を食い止めた方が安全だったかもしれません。
おそらくその事象があって、車検基準が変わった可能性があります。
これは正しい変更です。
御社も、車検に行って検査官にこんな事を言われた、これが無いために車検に
落とされた、、そんな事はありませんか!?
今回の様な部品や配線処置で、それを回避する事が出来ます。