こんにちは。kamaxです。
三菱ふそうローザを購入された「特別支援学校」ご法人様から、運転手と生徒を隔てるアクリルの仕切り設置のご依頼をいただきました。このような特別な依頼においては、入念な下準備が欠かせません。以下では、そのプロセスとこだわりをご紹介します。
入念な設計と計測
アクリル板とステンレスパイプの仕切りは、計測からスタートします。ジョイントを活用した長物のステンレスパイプの切り出しから設計し、ゴムブーツを用いた微調整を行います。アクリル板は特注で作成し、パイプのジョイントの中央にアクリル板を固定する穴を開ける工程もあります。少しのズレも許されないため、正確な作業が求められます。
ローザの構造に合わせた設計
三菱ふそうローザには天井に骨がなく、2.3mm以上の裏板を仕込む必要があります。天井スピーカーを外し、リベットで裏板を固定する工程は緻密な計算が求められます。仕切りパイプの上端を取り付ける位置を決める際も、天井と床の間のバランスを取りながら行います。
仕切りパイプの設置
仕切りパイプの上端は天井スピーカーのギリギリに固定し、床止め2箇所、運転席の右柱に2箇所の固定が必要です。三菱ふそうローザの床は真っ直ぐではなく、個体差があるため微調整が必要となります。床止めの位置は点検ブタのギリギリに設ける必要があります。
アクリル板の取り付けと仕上げ
アクリル板はパイプのジョイントのセンターに固定します。ズレがあると固定が難しくなるため、細心の注意が必要です。アクリル板とパイプの間にはプラスチックのカーラーを入れ、高さを調整して平行を出します。最後に台形のローゼットを取り付け、ビスキャップをはめて完成です。
三菱ふそうローザの特性を考慮した設計
三菱ふそうローザの床の形状やエンジンカバー、点検ブタの位置を考慮した設計が必要です。運転席後ろの床構造やシートベルトの出し入れにも干渉しないように工夫しています。
後は、仕切りパイプに対してなるべく平面を出すため、アクリル板と
パイプの間にはプラスチックのカーラーを入れて高さを調整しています。
これは、左側の支柱パイプは32mm系、その他は25mm系のパイプを
使っていますので、そもそも高さが違うのです。
それを解消するのに、32mmのパイプには3mmのカーラー、
25mmのパイプには6mmといった感じで、
アクリル板が平行になる様に高さを調整しています。
各固定ビスには、台形のローゼットを付け、ビスキャップをはめて完成です。
三菱ふそうローザは、床の形状が独特で、決して広い訳ではありません。
支柱パイプのすぐ左側には、エンジンとミッションのカバーの
張り出しが室内側にあります。
すぐ後ろには、点検ブタもありますので、これも開け閉め出来るように
床止めをかわす必要があります。
運転席の後ろの床も独特な構造で、右柱に対しても、ちゃんと
シートベルトが出し入れ出来るように緩衝してはなりません。
今回のこのアクリル板を止めた仕切りパイプの設計が、
いかに絶妙なのかお分かり頂けましたでしょうか!?
まず天井に仕切りパイプのメインの支柱を固定する骨、鉄板がありません。
私達なら、そこに当たり前の様に鉄板を作成して、周りの天井の骨や
スピーカーの枠骨を利用して加工しながら固定出来ますよ。
これも、今までの経験が為せる技とでも言いましょうか?
自慢ではありません。今までこういった作業ばかりやってきたので、
出来て当然なのです。
当社の専門技術
当社では三菱ふそうローザのようなバスの改造において、専門的な技術と経験を活かし、天井やスピーカーの枠骨を利用した固定を行っています。これは、今までの経験による技術の賜物です。
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