こんにちは。kamaxです。
東北地方のある県で、
路線の無くなった地域に
コミュニティバスが誕生しました。
最初は試験的に導入され、
やがて地域に根付いて、
今では地域の足として
重宝されています。
今までにご紹介した
コミュニティバスの仕組み
と違うのは、
「乗る側の住民も導入に携わった」
という部分です。
もともと、この地域は市街地の
北部に面しており、
数年前、ついに地元公営の
路線が無くなりました。
不採算、赤字続きだったのです。
地元の住民からは、
反対運動が起こりました。
高齢者にとっては、毎日の買い物、
病院通いの大切な足だったからです。
生活が成り立たなくなってしまう。
幾度となく繰り返される反対運動に、
ある市議会議員と、観光課の市役所員
が行動を起こしました。
何とか路線を復活できないか、
地元のバス会社に
協力を持ちかけたのです。
最初はバス会社も断りました。
撤廃した赤字路線を引き継いでも、
また赤字になる。
採算が取れなければ、
運営は出来ない。
どれぐらい乗客がいるのかも
分からないと。
その通りですよね。
しかし、ここからがこの取り組みの
画期的な部分です。
どんなバスを使って、
どれぐらいの乗客がいれば
採算が取れるか?
毎日ではなく、週に何回
運行出来るか?
二人の公務員が中心となって、
最低限のデータを出したのです。
ここに、反対運動をしていた
住民の代表も数名、
参加してもらいました。
実際、どれだけの住民が乗るかで、
運営出来るかどうか分かるからです。
公務員のお二人と、地元住民の
代表の方々が、
再度バス会社に協力を
要請しました。
まだ導入は無理でしょうが、
会議に参加して、前向きに
検討してほしいと。
こうして、市議会、
市役所の公務員お二人、
地元住民の代表のお二人、
バス会社の役員のお二人が、
「三位一体」となって、
実現に向けて会議を重ねました。
条件としては、まず採算が
取れること。
利益を生み、運営を続けて
いけること。
最低限の車両、運行日程、
運行回数が維持できること。
それに対して、利用する住民を
確保すること。
あとは、 市から予算が
どれだけ下りるか?
ということです。
この会議を、議事録として
まとめ上げ、市議会員の方は、
次の議会に持ちかけました。
すると、予算が下りました。
とてもバスが買える程の
金額ではありませんでしたが、
その予算で試験的に路線が
復活しました。
その内容とは、
〇路線を走らせる車両は、バスではなくコミューターにした。しかも、中古車。地域の介護福祉施設のお下がりです。平成17年式、日産キャラバン。障害社用リフト付き、9人乗り。自動ドア、自動ステップ。ディーゼル車、4WD。
(障害者リフト参考画像)
十分だと思います。
〇試験的に、最初は週一回の運行。午前中に2便、午後に3便。毎週水曜日運行。
〇市役所から、このバスの1日の最低限の運賃、燃料代を予算に組み込む。補助金として、バス会社に充当される。
〇地元住民側は、1日最低10人の乗客を確保。希望者が増えれば、増便も視野に入れる。
いかがです、バス会社様。
公営であれ、民営であれ、
何も運営側が全て負担する
必要はないのです。
・足がないと生活が困る住民は、
利用する乗客を最低限確保する。
・路線を撤廃した公営側は、
民営に委託する代わりに、
助成金で援助する。
・運行する民営側は、国から、
車両と、最低限の運賃、
燃料を保証してもらう。
見事にお互いの利益が一致した、
素晴らしいモデルだと
思いませんか?
今では、このバスは週2日、
水曜日と土曜日に
運行しています。
市からの助成金も増えたそうで、
同じ車両をもう一台購入。
午前中4便、午後6便に
増便したのです。
利用者は大半が高齢者ですが、
評判が良く、常連客以外に
乗客も増えている。
なんと、免許を返納して、
このバスを生活の足と決めた
乗客もいるそうです。
こういった効果も出てくるのです。
車両も、バスではなく、
乗用車派生のコミューター。
しかも、地元の介護福祉施設
のお下がり。
購入にそれほど費用は
かかっていません。
バスに比べて燃費も良いです。
運転手の「伊藤さん」は、
気さくで、親切な人柄。
乗客の皆様にも評判が良く、
伊藤さんに会いたいから
バスに乗る、という乗客も
いるそうです。
この取り組み、「三位一体モデル」
として、
地方の公共交通のお手本に
なっている所もあるのです。
これからもっと、地方の
過疎地域や山間部に広まれば、
明るい兆しが見えてきます。
御社にもし、過疎地域などの
赤字路線、不採算路線が
あるのなら、
このモデルを参考に、今一度
運行プランを検討されてみては
いかがですか?
「大手路線バス、観光バスの作業従事者ですが、
こんな修理が出て困っています」とか、
「路線バス、観光バスにこんな機器をつけたい
のだが、どうつけるか分からない」など、
特にバスの内装作業に私は詳しいので、
こちら からお気軽にご相談下さい。
御社のお仕事の手助けになれば幸いです。