こんにちは。kamaxです。
今回も、前回に引き続き、
「運賃箱の載せ替えと言えども、車種やメーカーによって作業が全然違う」
という具体例を挙げていきたいと思います。さて、このバスをご存知ですか!?
そう、「西日本車体工業」作成のバスです…。
車体を作っているのは上記のメーカーですが、販売はニッサンや三菱が行っていました。
ニッサンや三菱のエンジンやシャーシなどを積んで。
この、「西工ボデー」の特徴は、、バスの内装がほとんど手作り、という事でしょうか!?
これが厄介で、車体によって、微妙に寸法やサイズが違うのです、、。
早速中扉のICカードリーダーの取り付けなんですが、
下のグレーの大きなフタの中に、配線がしまい込んであります。
なので、床に穴を開けて配線を引き出す必要があります…。
こんな感じで、配線を処理していきます。穴はエアコン用粘土で埋めました。
本体の取り付けはこの曲がったパイプに固定する事にしました。
通常より位置がちょっと低いですが、ここしかありません…。
この作業を終えて、前の運賃箱の取り付け加工に回ります。
さて、このパイプは何でしょうか!?
今回載せ替えする運賃箱なんですが、
本体の横にグレーのBOXが付いていて、これが左に開くんですね!?
車種によっては、その前の握りパイプに当たって開かないのです、、。
それを解消するためにパイプをL字で避ける形にしました…。
ほら、箱の下でギリギリの高さを出しているでしょ!?
これで、メンテナンスの時にギリギリ干渉を避けて箱が左に開くのです、、。
しかも、この加工を30分程度でやってしまわないと、一日のノルマ台数をこなせません…。
慣れるまでなかなか大変でした、、。
さあ、続いてはこのバスです。
周回バスや、コミュニティバスとして大活躍の、「日野ポンチョ」です…。
いきなり後ろ扉から行きますが、、ICカードリーダーを付けるのは、比較的簡単でした。
後ろに板がついていて、そこに穴を開けて、ボルトで止めるだけ、。
配線は、下の大きな箱の中にしまい込んであります。
それを、箱の上の穴から線を出して、本体の配線と結ぶだけです。
今回の作業の厄介者、
運賃箱のフューズユニットの埋め込み位置です…。
メーター横のこのパネルしか場所がありません。
支局の人も、
「ステッカーを踏んで取り付けて良いですよ」
許可を頂きました、。有難いです・・・。
ポンチョって、小さいバスで、機器を取り付ける場所が本当に無いのです…。
ダッシュパネルなんか乗用車みたいですしね。
このパネルに、如何に機器や表示ランプが集まっているか分かりますね!?
それでは、最後に
最新型のJバスの路線タイプ、「KV系」の路線バスです。
今回のモデルチェンジで、ダッシュパネルのデザインや、運賃箱前の作りが変わりました。
一言で言ってしまえば、「面倒な作りになった」という所です、、。
金型を置いていますが、
運賃箱のフューズユニットを埋め込む場所がここしかありません。
以前のモデルであれば、
運賃箱の前のパネルが単なる鉄板で、加工し放題だったのです。
この最新型から、
前のパネルに、たくさんのリレーやら発車ベルやらが並べてあって、一切加工が出来なくなりました…。
結局、その上の写真のパネルに埋め込むしかなくなりました。
運賃箱の配線も、前のパネルを開けた中に全てまとめてあったのに、運賃箱の下の台に突っ込んでありました。
何故最新型はこんなに作業しにくいバスになったのでしょうか!?
結局最低限必要な配線を下に突っ込んで、後は全て前のパネルの中に配線を送ってまとめました、、。
今後、この方が絶対整備性が良いからです。
こうした純正からの状態を、
今後の事を考えて作業変更する事もたまにあります…。
新車の状態が全部正しい訳ではないからです。
メーカー側は、今後運行するバス会社や整備士さんの事を本当に考えているのでしょうか!?
以上、運賃箱の載せ替えレポートですが、車種やメーカーによって臨機応変に作業や段取りを変えていく必要があります。
私達は、20年近くこの作業をやっているので、想定内の作業なのですが、初めての方は、戸惑うのでしょうね~…。
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